1. 里の旅・豊後大野:緒方 雄大な滝と、田園風景の町

    JR緒方駅周辺は、緒方川を中心に開けた緒方平野とよばれる田園地帯となっています。かつて「緒方五千石」と称されたほどの米どころとあって、その名のとおり周囲の山々を背景に田畑が広がり、豊かな水をたたえた「井路」とよばれる水路が町中をめぐるその牧歌的な風景は、まさにニッポンの〈里〉。美しい日本のむら景観百選に選ばれたこともうなずけます。

    ただ、緒方のみどころはそれだけではありません。そんなのどかな「平野」のまんなかに、なぜかドーン!と重量級の大瀑布があったりするのがおもしろいところ。滝なんてだいたい山のなかで見るものだと思っていたのでなんだか不思議な光景ですが、とにかくそういうダイナミックな自然の景観と、そこに抱かれた人々の日々の営みが同時に存在する〈里〉が緒方なのです。

    駅から5〜6分歩いたところにある[俚楽の郷伝承体験館]で自転車を借りられるので、ぜひぜひのんびりペダルを漕ぎながら見て回ってください!

    今回訪れた場所

      緒方へのアクセス

      JR豊肥線 緒方駅 下車
      • 大分駅より約1時間20分
      • 熊本駅より約2時間30分

      レンタルサイクル
      あります

      1日:300円

      自転車は以下の2箇所で借りることができます。詳しくは[緒方町の観光]のページをごらんください。


      道の駅 原尻の滝
      • 緒方町原尻
      • 0974-42-4140
      • 原尻の滝のすぐ横で借りられます。車で来た方はこちらで。

      俚楽の郷伝承体験館
      • 緒方町馬場388-1
      • 0974-42-4822
      • 緒方駅から日向街道を東へ約700mほどのところ。JRで来た場合はこちらが便利。
    • 原尻の滝 harajiri falls

      そう、確かにちょっとナイアガラの滝に似てるんですよね。もちろんスケールは違うけれど、幅が広いところとか、平野にあってあたりが人里だとか(あちらはもう本当に「街のなか」ですが)。

      でも、原尻の滝がすてきなのは、やっぱりこの雄大な自然を、より身近で感じられるところだと思います。だってこんな大きな滝のすぐうえを、柵もなにもなしでぶらぶら歩けるなんてめったにないです! いま足元を流れていった水が、すぐにごうごうと音をたてて落ちていくようすは、見ていて飽きないですね。滝壺におりれば、滝のうえを歩く人や自動車がとおっていくのが見えて、これもまた不思議な光景。正面には吊り橋がかかっていて、滝のまわりをぐるっと歩くこともできるようになっているので、ぜひのんびり散策してみてください!

      緒方駅から自転車で 10

    • 二宮八幡社 ninomiya hachiman shrine

      原尻の滝の沈下橋をそのまま進んでいくと、つきあたりに鬱蒼と茂る鎮守の森、そしてそのなかに石造りの鳥居と橋が。おごそかな雰囲気のとおり歴史のある神社で、このでこぼこした石段も、ずっと昔からたくさんの人々が踏みしめていったんだろうなあと考えながらのぼりました(苔ですべりそうでしたけれど)。

      ここは[二宮]で、この山の頂上あたりには[一宮]があります。[三宮]もすこし離れたところにあって、3つあわせて「緒方三社」という愛称で呼ばれているそうです。

      これは平安時代末期にこのあたり一帯を領し、源義経の盟友でもあった緒方三郎惟栄さんというえらい武将に由来していて、その名がいま地名にも残っているのだとか。ちなみに日本全国に「おがた」さん(緒方さんをはじめ緒形さん尾形さん尾方さん……)がいらっしゃると思いますが、実はここがその発祥らしいです。全おがたさんがここへきてお参りするといいと思います!

      緒方駅から自転車で 15

    • 薬膳茶房 江川 egawa orgnic restaurant

      お昼をしらせるサイレンが町内のスピーカーから流れてきたので、原尻の滝まで戻って藁葺き屋根と水車が目印の[薬膳茶房 江川]でランチ。

      ここの料理は、自家製の野菜や豊後大野で採れる食材にこだわった、すべてオリジナルの創作料理。店主の江川満さんが大阪や京都の割烹で学んだという「薄味」の技が随所にほどこされていて、ひとつひとつの野菜がほんとうにおいしい! 「滋味」というのはこういうものなんでしょうね。「自然の食材はすべて漢方」なので、すなわち「薬膳」なのだそうです。とてもチャーミングな奥さまがひとつひとつ料理の説明をしてくださったのも嬉しかったです。

      意外にもおなかいっぱいになったのですが、もちろんデザートは別腹なので(江川のランチにもデザートありましたけど)、すぐそこにある[ジェラート屋 ミルクファーム フルショウ]さんでミルクの味が濃厚なジェラート。そして道の駅でお土産を物色!

      緒方駅から自転車で 10

      薬膳茶房 江川

      住所 緒方町原尻917-7
      電話 090-3010-6478
      営業時間 11:00–14:00 / 17:00–21:00
      定休日 水曜日・木曜日定休
      備考 予約が確実です。クレジットカードは使用できません。

      道の駅・原尻の滝

      住所 緒方町原尻936-1
      電話 0974-42-4140
      営業時間 9:30–17:30(レストラン10:00–17:00)
      定休日 12月31日・1月1日は休業
      ウェブサイト http://www.ogatakanko.com/

      ジェラート屋 ミルクファーム フルショウ

      住所 緒方町原尻933-2
      電話 0974-42-2224
      営業時間 9:00–18:00(夏季) / 9:00–17:00(冬季)
      定休日 定休日なし
      ウェブサイト http://www.geratoya.com/info/
    • 鷹来屋 takaki-ya brewery

      緒方の田畑に水をめぐらす「緒方井路」をたどりつつ、途中(さきほどからの続きで)[三宮]さんにも立ち寄りながら、やってきたのは鷹来屋さん。店構えからもう雰囲気があって、全国にファンを持つ人気の酒蔵というのもなんとなくわかります。

      この鷹来屋さんの周りには、「緒方五千石」とよばれる稲作地帯がのどかに広がっています。米どころ=おいしいお酒ということで、いまは少なくなってしまったけれど、かつてはこのあたりにたくさん造り酒屋があったのだとか。俳人・種田山頭火もこの地を歩いてはお酒を飲んでいたようで、「行乞記」という日記に「また造り酒屋で一杯ひつかけた、安くて多かつたのはうれしかつた」と記してます。

      ところでなんとこの鷹来屋さん、「蔵のあるその土地の米と水で醸してこそ真の地酒」ということで、ご自分のところで酒米づくりにも取り組んでいるのだとか。実はこの鷹来屋さんも酒造りを止めていた時期があって、現在のご主人がそれをいちから復興させたそうなのですが、そういった誠実な姿勢が日本酒好きの人々に受け入れられた秘密なんだと思いました。じゃあわたしたちも山頭火にならって、かっこいい女将さんに勧めていただいた冷たい甘酒を……複雑な風味と自然な甘みがおいしい! 美容にもいいらしいですよ!

      緒方駅から自転車で 6

      鷹来屋[浜嶋酒造合資会社]

      住所 下自在381
      電話 0974-42-2216
      営業時間 9:00–18:00
      定休日 不定休
      ウェブサイト http://www.takakiya.co.jp/
      備考 カフェスペースも併設していて、コーヒーやケーキなどもいただけます
    • 大福寺 daifuku-ji temple

      というわけでもう一度JR緒方駅を通過して東に約5分、やってきました臨済宗大福寺。臨済宗といえば禅宗。禅宗といえばもちろん座禅……やったことないですね! せっかくの機会ですから、この緒方のゆるやかな時間に身を任せて、ゆっくり座ってみることに。

      ご住職に心構えや座禅の組み方などを一通り教わって……「はい、始めます」。合図のとたんに、空気がぴんと張り詰めていきます。静寂がおとずれて、聞こえるのは外の葉ずれの音や、遠く遠くの鉄道の音くらい。はじめは凛々しい若和尚さんが持つ警策(あの棒のことですね)が気になってしかたなかったのですが、5分もすると頭のなかが空っぽになってきて、なぜかすごくこころが落ち着いていく感覚に。これが座禅の魅力……! と思ったら和尚さんに頭を下げるように促されてしまいました……意外と本当に痛いです、あれ。

      座禅の後は、優しい奥さまからお茶をいただきました。「座禅とお茶は相性がいい」とのお話で、ほんとにまたまたおいしかったです。締めは緒方平野を一望できる鐘楼で、鐘撞き体験。自分の撞いた〈ゴーーン〉という鐘の音があたり一帯に響き渡るのはなんだかとっても爽快! 帰っていくわたしたちを、ご住職が階段のうえから最後まで見送ってくださいました。有意義なひとときをありがとうございます。合掌!

      緒方駅から自転車で 6

      大福寺

      住所 緒方町井上716
      電話 0974-42-2610
      備考 座禅体験は予約が必要です。1週間前までにお電話ください。
    • 豊後大野市歴史民俗資料館 bungo-ohno miseum of history

      ハードは小さな資料館だけれどソフトで勝負!「名物職員」の高野さん・豊田さんがユーモアたっぷりに豊後大野の歴史や文化、また最近認定を受けた日本ジオパークのことなどをたっぷり聞かせてくれる歴史民俗資料館。本日の先生は高野さんでした。

      とにかく博識で、ちょうどきょう一日見聞きしてきたことが、もう一度楽しくおさらいできました。こんどは豊田さんバージョンもお聞きしてみたいですね。ほかにも館内には平安時代のものとされる大きな木造仏などが展示されていて、個人的に興味深かったです。すぐ近くから見ることができるので、1000年ちかく前にこれを誰かが彫っていたんだなーとか、それをいまここで自分が見ているのが不思議だなとか、そんなことを考えました。というわけで、朝10時ごろから夕方までたっぷり楽しんだ一日でした!

      緒方駅から自転車で 3

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