ラボログ

オキナワと里の旅

里の旅だより

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沖縄を初めて旅した昭和48年(1973年)。ひめゆりの塔に近い南部、玉泉洞はいまだサトウキビ畑のただ中にある「発見されただけ」の、無駄に大きな鍾乳洞だった。奇跡の1マイルと呼ばれるようになりつつあった国際通りも、牧志市場も、あふれるオキナワと生活臭の中、“観光”は行儀よく「おっちん」(座る)させてもらうだけの立場、観光とは名ばかりだった。

いま、そこやここには、逆にどでかい観光があふれ、オリジナルの沖縄は分厚いかさぶたの中に隠れてしまった。統治者が国の光を見るとした「観光」の本来の語源が今の時代に生きているとするならば、逆光が強すぎ、いい写真が取れないかもしれない。

沖縄の、ある大学の「観光」を専門担当とする先生に「沖縄の観光」について、問うてみたことがある。その先生、「わたし、観光は専門ではありませんから!」と、返答され驚いたことがある。初代観光庁長官で首都大学東京でも教鞭をとられていた、本保先生には直接「観光を科学する」ことについてお聞きしたことが複数回ある。が、いまだ傍流として教えられる「観光学」が多いニッポンの観光では、「関係しあえる観光」についての論証が未熟だ。

じつは派手に見える観光だが、「人知れず地道な業」であることに一次産業との隔たりはない。行儀よく「おっちんした観光」ではなく、「かさぶたが分厚い観光」でもなく、人の営みが見え関係しあえる観光を目指したい。「関係しあえる観光= 里の旅」・・おんせん県大分でやってます!

眺望のテラス

里の旅だより

この歳になって夢を語るのは・・小恥ずかしい。が、今年7/25にリ・ニューアルオープンするロッジきよかわ。いま、ここで仲間らと汗を流しはじめている。昔からある建物を再利用するという点では、京都や大阪ではやっている「町家再生」に似ていなくもないが、こっちは約10,000㎡(3000坪)もの敷地に建物が点在、少々広い。

リノベ(リノベーション:再生建築)の第一人者、中谷ノボルさんは、いま、沖縄県北谷(ちゃたん)で、60年代のテイスト感が最高のホテルを「再生型で」と、悪戦苦闘中と聞いているが、彼のことだからシッカリやり遂げることだろう。先日やってきたNPO仲間も再生型で、日本有数のリゾートホテルを数多く手掛けている。で、ちょっと緊張・・

沖縄といえば、沖縄・久米島の生まれで大阪育ちの新しい仲間が、地域おこし協力隊枠の採用で、本日から清川へ! 彼女には、ゆるやかに流れる清流・奥岳川を望む「眺望のテラス」が似合いそうな気がしている。なぜなら、ここからの奥岳川はエメラルド色。

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久米島の海とは異なるが、なんだか絵になる! 論理的ではないがそんな“勘働き”が走るのである。

“勘働き”は、鬼の平蔵の独壇場だったなぁ~

トラクターとTDLもしくはUSJもしくはTPP

里の旅だより

つかの間の帰省(帰阪)、都心なれど自宅のある上本町周辺は大阪唯一の文教地区?シェラトン都ホテルに外国人ビジターが目立つ程度の他は、“GW集中”などといって進学塾に来る、塾の子どもらが目立つ程度、牧歌的である。

他方ことしのGWもTDLやUSJが「とてつもない集客力を発揮」と、昨夜の報道。報道そのものが予定調和で「あっ、そう」というレベルではあるが、昨年11月から一次産業が分厚い大分県豊後大野市に単身赴任しているわが身、そこはかとなく複雑な心境である。

おまけにTPP・・だいたいこの種の外圧、わかったようなわからんような「3文字アルファベット」と相場が決まっているのだが、都市部に集中する観光旅客と、ニッポンの風景の「それそのもの」を構成している田園地帯を比較して、腹立たしい。

田園地帯は忙しい! この時期、豊後大野でもひたすらトラクターが大活躍、田植えに備え田を起こす作業やら、田んぼの畔を草刈し用水の目配せにも余念がないし、その合間合間に、地区の行事、学校の行事、子供会や老人会の行事、山開きなど各種のイベント、消防団の出動、おまけに・・都会に出た子どもの子ども・・「孫ら」の帰省でお相手。等々、ニッポンの田園地帯を守るための作業は膨大。融通無碍な“時間”にも忙殺される。

張りぼて施設の米国文化にひたる大量消費や、TPPを宇宙空間のたわごとのように評論する大都市の無邪気をよそに、じつは!「田舎のリアル」が「ニッポンの風景」を守ってる。TPPにはTDLやUSJで戦略的に稼ぐ米国資本に「ニッポンの農家を守るための関税を!」と、本気で思ってしまう・・・

このGW、豊後大野でたいへん親しくさせていただいている兼業農家の方から、「トラクターを畔にはめてしまって動かなくなり、農作業が全く進まなかった。これ、嫁にも内緒・・」と、自嘲の告白。その深刻な告白に、失礼ながら思わず笑ってしまったが、TDLやUSJが束になっても及ばない、「リアル」に、ニッポンの未来を思い起こすGWとなりました。

プロとアマチュア

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昨日の朝早く、何気なくNHKをつけたら残間里江子さんが故郷、仙台を訪ね貧しかった幼少のころの話を、ご自身が暮らしたと同様に近いという、現在は空き家のみすぼらしい長屋の玄関先に腰かけ「語り」を続けていた。

彼女はボクよりも年上だが、あまりにも境遇が似通っていたので、思わず最後まで見入ってしまった。

ある知人が、残間さんと会って話したことがあるので、直接の伝文で「スゴイ人」というのは知っていたが、出会いの達人であること、出会いを明日へのチカラにエネルギー変換させる「プロ」であることが痛いほど理解できた。

成功を収めつつあった東京・原宿の個人事務所時代、その事務所前でバッタリ出会った「同級生」とのくだりなど、最高だった。

こちらも、少々は出会いの達人との認識でいたが、プロ級もしくはそれ以下・・ アマチュア並みの出来栄えであったことを再認識させられ、気合が入った。

結局、アマチュアの仕事というのは後姿がへっぴり腰で、何をやらせてもそこはかとなくビンボー臭い。事務ワークの合間・合間に汗を流す「草刈」や「枯草運び」は、その最たるもののように思えるが、やはり・・汗はかかねばならぬ。

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気合が入っても、こんなものだ・・だれにも見せたくない姿。

カワイイ滝

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このマチの楽しみの一つに、ごく普通のあんなとこ、こんなところにこつぜんと滝が出現する、というのがある。

ロッジきよかわにアプローチするすぐ直前の小さな橋、右手後方には、高千穂峡を小さくしたような無名の滝がある。この風景に気付く人は少ないが、誰も知らない「私の滝」として、心ひそかに「ロッジの滝」と名付け、一人楽しんでいる・・

もう一つ・・ツリー型ハウスから川向うを見ると、雨の日やその翌日限定で、これまた小さな白糸の滝のような風景が人知れず出現する。もちろん無名の滝で、こちらには、「風雅の滝」と名付け、その落水を密かに楽しんでいる。

この日の雨量は少なく、風雅の滝は傘をさしているオッサンの後姿、その向こうにかすかに確認できるのみであるが、強い雨の翌日、晴れたりすれば・・風雅の滝は魅力を増す。

日光・華厳の滝や箕面の滝、このマチの有名な瀑布、原尻の滝や沈堕の滝の魅力は一見すれば誰もが納得するが、人知れず流れ落ちるこのような小さな滝も、いじらしくてカワイイ。

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傘をさしているオッサンの後姿は小さくはあるが、カワイクもない。同じように「人知れず」ではあるが、こっちとは大違いである・・

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