ラボログ

トラクターとTDLもしくはUSJもしくはTPP

里の旅だより

つかの間の帰省(帰阪)、都心なれど自宅のある上本町周辺は大阪唯一の文教地区?シェラトン都ホテルに外国人ビジターが目立つ程度の他は、“GW集中”などといって進学塾に来る、塾の子どもらが目立つ程度、牧歌的である。

他方ことしのGWもTDLやUSJが「とてつもない集客力を発揮」と、昨夜の報道。報道そのものが予定調和で「あっ、そう」というレベルではあるが、昨年11月から一次産業が分厚い大分県豊後大野市に単身赴任しているわが身、そこはかとなく複雑な心境である。

おまけにTPP・・だいたいこの種の外圧、わかったようなわからんような「3文字アルファベット」と相場が決まっているのだが、都市部に集中する観光旅客と、ニッポンの風景の「それそのもの」を構成している田園地帯を比較して、腹立たしい。

田園地帯は忙しい! この時期、豊後大野でもひたすらトラクターが大活躍、田植えに備え田を起こす作業やら、田んぼの畔を草刈し用水の目配せにも余念がないし、その合間合間に、地区の行事、学校の行事、子供会や老人会の行事、山開きなど各種のイベント、消防団の出動、おまけに・・都会に出た子どもの子ども・・「孫ら」の帰省でお相手。等々、ニッポンの田園地帯を守るための作業は膨大。融通無碍な“時間”にも忙殺される。

張りぼて施設の米国文化にひたる大量消費や、TPPを宇宙空間のたわごとのように評論する大都市の無邪気をよそに、じつは!「田舎のリアル」が「ニッポンの風景」を守ってる。TPPにはTDLやUSJで戦略的に稼ぐ米国資本に「ニッポンの農家を守るための関税を!」と、本気で思ってしまう・・・

このGW、豊後大野でたいへん親しくさせていただいている兼業農家の方から、「トラクターを畔にはめてしまって動かなくなり、農作業が全く進まなかった。これ、嫁にも内緒・・」と、自嘲の告白。その深刻な告白に、失礼ながら思わず笑ってしまったが、TDLやUSJが束になっても及ばない、「リアル」に、ニッポンの未来を思い起こすGWとなりました。

プロとアマチュア

里の旅だより

昨日の朝早く、何気なくNHKをつけたら残間里江子さんが故郷、仙台を訪ね貧しかった幼少のころの話を、ご自身が暮らしたと同様に近いという、現在は空き家のみすぼらしい長屋の玄関先に腰かけ「語り」を続けていた。

彼女はボクよりも年上だが、あまりにも境遇が似通っていたので、思わず最後まで見入ってしまった。

ある知人が、残間さんと会って話したことがあるので、直接の伝文で「スゴイ人」というのは知っていたが、出会いの達人であること、出会いを明日へのチカラにエネルギー変換させる「プロ」であることが痛いほど理解できた。

成功を収めつつあった東京・原宿の個人事務所時代、その事務所前でバッタリ出会った「同級生」とのくだりなど、最高だった。

こちらも、少々は出会いの達人との認識でいたが、プロ級もしくはそれ以下・・ アマチュア並みの出来栄えであったことを再認識させられ、気合が入った。

結局、アマチュアの仕事というのは後姿がへっぴり腰で、何をやらせてもそこはかとなくビンボー臭い。事務ワークの合間・合間に汗を流す「草刈」や「枯草運び」は、その最たるもののように思えるが、やはり・・汗はかかねばならぬ。

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気合が入っても、こんなものだ・・だれにも見せたくない姿。

カワイイ滝

里の旅だより

このマチの楽しみの一つに、ごく普通のあんなとこ、こんなところにこつぜんと滝が出現する、というのがある。

ロッジきよかわにアプローチするすぐ直前の小さな橋、右手後方には、高千穂峡を小さくしたような無名の滝がある。この風景に気付く人は少ないが、誰も知らない「私の滝」として、心ひそかに「ロッジの滝」と名付け、一人楽しんでいる・・

もう一つ・・ツリー型ハウスから川向うを見ると、雨の日やその翌日限定で、これまた小さな白糸の滝のような風景が人知れず出現する。もちろん無名の滝で、こちらには、「風雅の滝」と名付け、その落水を密かに楽しんでいる。

この日の雨量は少なく、風雅の滝は傘をさしているオッサンの後姿、その向こうにかすかに確認できるのみであるが、強い雨の翌日、晴れたりすれば・・風雅の滝は魅力を増す。

日光・華厳の滝や箕面の滝、このマチの有名な瀑布、原尻の滝や沈堕の滝の魅力は一見すれば誰もが納得するが、人知れず流れ落ちるこのような小さな滝も、いじらしくてカワイイ。

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傘をさしているオッサンの後姿は小さくはあるが、カワイクもない。同じように「人知れず」ではあるが、こっちとは大違いである・・

すきま商品

里の旅だより

京阪神の京は京都。都市型観光というよりも古都観光(京都人はこの表現を使わない。なぜなら、ニッポンの“新しいことは京都から”の自負があるから)で世界的に有名。「神」のミナト神戸も同様。では「阪」の大阪はどうか?

20年前、大阪都心で大阪初のペンションをはじめたころの大阪は、観光にはまったく頓着がなく、「何を考えているのか!」と、多くの人から質問攻めにあった。当時、「商都大阪」では、観光を語ることはナンセンス。大阪に観光など必要ないという財界人まで存在したほどだ。

ところが、1年もすると好感度・・いや、けったいな感覚を好むメディア人を中心に興味を示してくださる人々が集まりはじめた。その中の代表格が、こんにちまで途切れることなくお付き合いしている毎日新聞・大阪本社社会部の松井宏員記者。

この人、昨年は記者として栄えある賞も受賞したし、西川きよしさんの奥様・ヘレンさんが料理を披露する超人気連載も担当されたりと、いまでは少々メジャーになってしまったが、当時はこの人そのものが「けったいな人」で「けったいでんなぁ~」という、大阪にしかあり得ないようなスカタンな連載を企画・担当していた。

彼とはじめて対面したのは、その「けったいでんなぁ~」の登場人物にと、ボクを取材しに来た時のこと・・彼の名刺を見て驚いた・・毎日新聞社会部「すきま商品企画部」と書いてあった。当時、バブル期もすでに遠く、阪神淡路大震災直後、「人々の関心は大ネタにあるのではなく、心のよりどころとなるような人と人とのすきまに隠れている」との理屈からくるしゃれっ気の強い、オリジナル名刺だった。

だから彼は誰よりも、どの記者よりも早く、「すきまを」見つけ、「けったいな人」を探し当て、紙面化することに成功した。彼が言うには・・「すきまは一日にしてならず!日々見えないところで精進することが“すきま商品”成功の秘訣」だと。含蓄がある。

で、私たちの精進・・草刈は自らの手で! ほったらかしにされた時期が長いこの地では、草がぼうぼう。日常業務の合間や休日に、当番制で時間を見つけ愛情込めて草刈することに決めました。すきま商品として育つことを祈って!!

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豊かさの定義

里の旅だより

このマチで一番大きな駅、JR豊肥線・三重町駅から引っ越してきて5日目。2キロ先には新鮮な食材が人気の「道の駅きよかわ」があるが、ここ清流・奥岳川沿いの仕事場の周りには何もない。

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ネット環境があり、仕事という意味では何不自由がない。少々不便といえば不便ではあるが、その不便は「未来の豊かさ」だと感じている。むかし流行った言葉で表現すれば、これは“リッチ”でさえある。

大きいことはいいことだ♪・・♪森永エールチョコレート・・♪ これまた古いがこの宣伝コピーの音楽にあったように、時代が求めるもの、20世紀型の豊かさは、大量消費の美徳だった。ところが今、美徳の尺度はそうではない。

「大きな~」と、喧伝するより「小さな~」を謳い上げる方が魅力的。プチな魅力である。ニッポンの魅力は間違いなく、そのようなスケール感に合致したところの所以であろうし、環境志向をくみ取った“消費”は、あらゆることが小さい。

NHKの人気旅行番組「ブラ・タモリ」などは、その典型的な類型で、京都や大阪は言うに及ばず、大東京を取り上げても「小ネタ」ばかりを探してる。「鶴瓶の家族に乾杯」然り。

家の前をよくうろうろしていた(昨年2月まで、自宅が上方落語の殿堂「天満天神繁昌亭」の目の前だった)鶴瓶さんは、自分を『どのように小さく見せるか』いつも腐心されているような方だった・・それはさて置き・・

ボクたちはいま、必死に商品企画してる・・大きく見せることより、小さな魅力の積み上げだが、これ、言うのは簡単だが、じつのところほんとうに難しい。骨が折れて「小さなつまずき」が連続し、「小さくしか前進しない」・・嗚呼!

そういえば・・東京ビッグサイトとかルール違反のでかさ、ボーイング787とか。

大きくってもいいか・・

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