里の旅_02_朝地 里の旅コース田園風景とアートを楽しむ小さな旅
のどかな田園や里山の風景がうつくしい町、朝地。そんな朝地を歩く「小さな旅」はいかがですか? あさじ里の旅コースは JRローカル線の小さな駅をスタートし、地元の産品であふれる道の駅にゴールするハイキングコース(全行程約10.9km) です。棚田を見渡し、素掘りのトンネルを抜け、石橋を渡り、里山をこえると──そこには自然と調和したたたずまいが魅力 の美術館と現代アートの公園が。四季それぞれに表情ゆたかな朝地の里を、ぜひおたのしみください!
朝地へのアクセス
JR豊肥線 緒方駅 下車
大分駅より約1時間20分
熊本駅より約2時間30分
里の旅_02_朝地 里の旅コース訪れた場所
朝地駅Jr Asaji station
大分と熊本を結ぶJR豊肥本線上にある、かわいらしいたたずまいの小さな駅が、ハイキングコースのスタート地点です。
朝地の田園風景Rural views of Asaji
国道57号線の歩道橋をわたると、ちいさな尾根筋をたどってあるくこのコースの特徴的な景色がひろがります。
若林洞門Wakabayashi tunnel
コースの途中には、いまはもう珍しいこんな素掘りのトンネルもあって、すこし冒険気分になれます。
朝倉文夫記念館・記念公園 Fumio asakura memorial Museum/park
日本の近代彫刻の礎を築いた朝倉文夫の作品にぜひ触れてほしいです!
田園風景 再びRural views again
アートにふれたあとは、やっぱり田園風景をもう一度。ふたたび里山の尾根道をたどり、黄金色の稲田を見渡しながら帰ります。
道の駅あさじRoad station Asaji
道の駅あさじです。木の架構で支えられた大屋根が印象的な建物は、内部空間にくまなく光がいきとどいてとてもよい雰囲気。
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朝地駅Jr Asaji station
歩く旅人たちが集まる
小さな駅
そう、確かにローカル線の小さな駅なんですが、朝地駅はこの[あさじ里の旅コース]だけでなく[九州オルレ奥豊後コース]のスタート地点にも なっているため、国内外から「歩く旅」をもとめてたくさんの人々がやってくるところ。併設の朝地駅観光案内所では、ゆったり穏やかな人柄が人 気の名物スタッフ・関さんが、コースや周辺の観光案内をしてくれます!
朝地駅観光案内所
- 住所
- 朝地町坪泉539-3
- 電話
- 0974-72-0510
- 営業時間
- 8:30–14:30
- 定休日
- 年末年始
- ウェブサイト
- facebookページ
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朝地の田園風景Rural views of Asaji
みちばたの花と仏さまを
愛でながら
ちなみにこのコースにはその昔に距離の目安としておかれていた「丁仏(ちょうぼとけ)」が点在しています。探しながら歩くときっと楽しいですよ。
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若林洞門Wakabayashi tunnel
このでこぼこは
なんの跡?
このトンネル、まさに素掘り!という感じなのに意外と長くて、全長約95m。そしてやはりでこぼこのままの壁が印象的で、すこしひんやりしていて、なんだか生き物の体内にいるみたいでした。
で、この「でこぼこ」なんですが、どうやらトンネルを掘りすすめる際にダイナマイトを使っていて、その「跡」がこういうふうに無数のクレーターのようになっているのだとか。「手で掘ったままにしてるからかな」なんて素人考えで思ってたら、まさかのダイナマイトで吹っ飛ばした跡。そう思って壁を眺めていると、それはそれで感慨深いです。
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朝倉文夫記念館・記念公園 Fumio asakura memorial Museum/park
人気の造り酒屋さんで
美味しい甘酒
ということでやってまいりました、朝倉文夫記念館・記念公園。こちらでは現朝地町出身で「東洋のロダン」と称された彫塑家・朝倉文夫の偉業に触れることができます。もともと朝倉自身が故郷に作品を展示する場所をつくりたいと考え、この場所で自らブルドーザーを運転して工事をはじめたのが発端なのだとか(そうです、園内にあるブルドーザーはそのときのもの!) 。その後、彼は志なかばで亡くなってしまうのですが、地域の方が意志をついで完成させたのがこの記念館と記念公園というわけです。
館内には朝倉の学生時代から晩年の作品が展示されていて、緊張感のある造形を間近で感じることができます。猫好きだったらしく、猫の彫像が多いんですが「日本近代彫刻の祖」がつくった猫の像はやっぱりさすがですね! そして周囲の公園には、アジアの新鋭作家たちによる大分アジア彫刻展・入選作品があちこちに。ぜひぐるっと散策してみてください。
朝倉文夫記念館
- 住所
- 朝地町池田1587-11
- 電話
- 0974-72-1300
- 営業時間
- 9:00–16:30
- 定休日
- 月曜休館(月曜は祝日の場合は翌日)/年末年始
- ウェブサイト
- 朝倉文夫記念館
- 備考
- 入館料:大人500円・小中高校生200円
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田園風景 再びRural views again
里の暮らしと
トンネルと
ここからは帰り道。朝倉文夫記念館から四季の花々や蓮池を眺めながら園内を抜けると、原木しいたけのほだ場が。ご存じかもしれませんが、
ここぶんご大野はしいたけの産地。とくに乾しいたけが有名で、全国の乾しいたけ品評会でも常にトップクラスの評価なんですよ。その「肉厚
さ」は感動ものなので、ぜひ一度おためしください! で、その「ほだ木」が置かれたほだ場があちこちにあるんですが、これが整然と並んで
いてなかなかうつくしく、ついつい写真をとってしまいます。見かけたらそんなところも注目してみてくださいね。
そこからまた気持ちのよい尾根道にでて、やっぱりどこか懐かしいような田園風景を眺めながら帰ります。
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道の駅あさじRoad station Asaji
豊かな土地の
豊かな道の駅
道の駅あさじは、「スケルトンログ」という構法でつくられた大きな屋根がかっこいい建物です。新鮮な地元野菜はもちろん、肉厚な乾しいたけ、
オリジナル商品の「塩だれ」などバラエティに富んだ品揃えが自慢。山ぶどうソフトクリームが人気商品です。それに朝地は和牛の産地でもある
ので、併設のレストラン福寿草でぜひそのあたりも味わっていただきたいですね!
ちなみに建物の裏にはなぜか川の途中までしかかかっていないふしぎな石橋が……。これは実は以前別のところにかかっていて、河川改修にとも
なって取り壊される予定だったものがここへと移築保存されたもの。橋マニアの人に言わせると、アーチ式石橋の真下を簡単にくぐれるところは
あまりないので、ぜひその真下から石橋をみてみてほしい!とのことでした。
さて、このあさじ里の旅コースはここでおしまい。いかがでしたか? もし機会があったら九州オルレ奥豊後コースにも挑戦してみてくださいね!