里の旅_03_朝地 九州オルレ 奥豊後コース歴史を刻む史跡をめぐって里山あるき
韓国済州島発のハイキング「済州オルレ」の九州版・九州オルレ。「オルレ」とは、もともと済州島の方言で「通りから家に通じる狭い路地」という意味なのだそうで、まさに故郷の風景をたのしむように、山や里をのんびりと歩くスタイルが近年注目されています。九州各地に設定されたそれぞれのコース(2015年現在で17コース)は厳正な審査を経て「オルレ」として認定されているだけあり、どれもすばらしいものなのですが、そのなかでも人気なのがJR朝地駅からスタートする、この「奥豊後コース」。用作公園や普光寺、岡城址などを経由しつつ、JR竹田駅までの約12キロの山里の小道を、目印の矢印やリボンを頼りに自分のペースで歩きます。
歴史を刻む史跡と、うつくしい日本の里山の景色をお楽しみください!
朝地へのアクセス
JR豊肥線 朝地駅 下車
大分駅より約1時間5分
熊本駅より約3時間10分
里の旅_03_朝地 九州オルレ 奥豊後コース訪れた場所
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朝地駅Jr orure station
大分と熊本を結ぶJR豊肥本線上にある、かわいらしいたたずまいの小さな駅が、ハイキングコースのスタート地点です。
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用作公園(ゆうじゃくこうえん)Yujaku park
用作公園(ゆうじゃくこうえん) は大分県内でも有名な紅葉の名 所。たくさんの人でにぎわいま す。
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普光寺(ふっこうじ) Fukkoji
なんと日本最大級の磨崖仏! 自分 の足でここまで歩いて、この眼下 の絶景が開けた瞬間はきっと感動 しますよ!
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十川の柱状節理(そうかわ) Columnar jointing along soukawa river
戦国時代には城下町だったという あたりを通って(現在は石垣など が残るだけですが……)進むと、 水のごうごうと流れる音が。
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岡城址Okajoshi
小高い山の上にもう建造物はなく て石垣だけが残されているのです が、その石垣がかっこよくてラピ ュタの天空の城を思い出します。
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竹田の城下町Castle town of Taketa
岡城をくだり、すこし懐かしいレ トロな街並みをとおって、JR竹田 駅近くの温泉・花水木でゴールで す。
01
朝地駅Jr orure station
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単線の小さな駅から
スタート
さて、スタートはこのかわいい単線のちいさな駅から。とはいえ、あさじ里の旅コースのページでもご紹介したのですが、この朝地駅は、一年を とおして国内外から「歩く旅」をもとめてたくさんの人々がやってきます。そんな彼らを迎えるのが、併設の朝地駅観光案内所の名物スタッフ・ 関さん。ゆったり穏やかな語り口で、コースや周辺の観光案内をしてくれます。この案内所では、その他にお弁当やガイドの手配も可能。さまざ まな知識や特技を持った「オルレガイド」と一緒に歩けば、また違う楽しさが味わえるはず!(要予約/詳しくは案内所へお問い合わせください)
朝地駅観光案内所
- 住所
- 朝地町坪泉539-3
- 電話
- 0974-72-0510
- 営業時間
- 8:30–14:30
- 定休日
- 年末年始
- ウェブサイト
- facebookページ
02
用作公園(ゆうじゃくこうえん) Yujaku park
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「ゆうじゃく」と
読んでください。
ところで、用作は「ゆうじゃく」と読みます。鎌倉時代に当時の領主が所有していた「用作田」がなまって伝わったものなのだとか。ちなみに紅葉もき れいですが、新緑の季節もおすすめ。目の覚めるようなうつくしい緑色の光を、ゆっくりたのしめます。オルレで歩くと気持ちいいですよ!
03
普光寺(ふっこうじ)Fukkoji
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巨大な磨崖仏を
仰ぎ見て
普光寺はかつて密教の修験場として栄えたお寺。断崖絶壁に彫られた11.3mの高さを誇る不動明王さまは、一説には日本最大級の磨崖仏といわれて
います。右隣の洞窟の上にも「筑紫山普光寺」と刻まれた文字が。あんなに高いところ、昔の人はいったいどうやって彫ったんでしょうか。ちなみ
に不動明王さま、見る角度によってやさしげに微笑んだり、顔をしかめていたりと、いろんな表情にみえるのですが、真下から仰ぎ見るとちょっと
怖いです!
またこの普光寺は、6月〜7月にはアジサイが咲き誇るため「アジサイ寺」とも呼ばれています。梅雨時はきれいですよ! 本堂前の「撫で仏」は、
頭が良くなったり(ていうかボケ防止?)腰痛などにご利益があるとのことなので、いっぱい撫でまわしましょう!
普光寺
- 住所
- 朝地町上尾塚1225
- 電話
- 0974-72-1461
- ウェブサイト
- 普光寺(ぶんご大野里の旅公社)
04
十川の柱状節理(そうかわ) Columnar jointing along soukawa river
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大自然と
人々の歴史
この不思議なかたちに岩が割れているのは、柱状節理というのだそうです。9万年前に起こった阿蘇の大噴火で発生した火砕流が川へと流れ込み、 それが冷え固まって柱状に亀裂が入ったものなのだとか。十川は水量豊か(すぐ上流には発電所も)なので、昔はここに掘り割りなどもつくって 舟を通し、物資を運搬していたみたいですね。大自然と、そのうえで人々が生きてきた歴史みたいなものが感じられて、いまは人もそう通らない 場所だけれど、かつての往来を想像したりしました。
05
岡城址Okajoshi
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天空の要塞
岡城はその昔、源頼朝に追われていた源義経を迎えるためにつくったと伝えられ、戦国時代には少ない兵で大軍を何度も撃退した難攻不落の名城 として有名です。たしかにアプローチも急坂だし、残された石垣も入り組んでいてまさに要塞といった感じ。ちょっと男子の心が疼きますね! 幼少期を竹田で過ごした明治の作曲家・滝廉太郎は、この城をイメージして「荒城の月」をつくったとされています。また春の桜もうつくしく、 日本さくら名所100選に選定されています。
06
竹田の城下町Castle town of Taketa
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風情の残る
城下町
城下町はやはり昔からの建物やお店などが建ち並んでいて、歩いているだけでもけっこう楽しいですね。時間が止まっているようなところもあれば、 とてもおしゃれなお店なんかもあったりして、そういうまぜこぜ感が好きです。そうそう、足湯につかった「花水木」には竹田市の観光案内所やお 土産屋さんも併設されているので、体力に余裕のある方はぜひゆっくり観光したり、温泉につかったりしてくださいね!